酒さの原因
酒さのはっきりとした原因は今のところ不明です。しかし考えられる原因は多々あります。
これは原因と思われる要因が人により様々で、「この治療法なら誰にでも必ず効果がある!」というものがないのであって、自分にあった治療法が見つかれば、症状の回復を目指すことは可能です。
私も最初に酒さ完治は難しいというを知ったときは絶望しましたが、根気強く自分の肌に向き合い、自分の酒さの原因かもしれないと感じたことには片っ端から対応していきました。そのおかげもあって、今では酒さを発症する前の状態に近づくことができました。
なので、まず大切なことは酒さの原因をしっかり理解し、
自分の酒さの原因
自分の酒さの治療方法
を自分で考えてくことです。その手助けが、このサイトでできたら幸いです。
それでは、早速酒さの原因について書いていきますね。
日光・紫外線
酒さになっている肌はバリア機能が奪われ、刺激に非常に敏感になっています。そこに紫外線によるダメージが与えられると、あっという間に酒さが悪化してしまいます。
紫外線の強い夏だけ対策すれば...と考える人もいるかもしれませんが、酒さの肌は冬の紫外線にも敏感に反応してしまいます。紫外線対策を徹底せずに、酒さがなかなか治らない人は、紫外線対策をしてみると効果があるかもしれません。
精神的ストレス
酒さになったとき、あなたは何か大きなストレスを抱えていませんでしたか?または、ストレスを溜めやすい性格ではありませんか?ストレスを解消する方法を身に着け、上手にリラックスできるようになれば、必ずプラスに働きます。
しかし、そもそも酒さであることがストレスになっているはずです。なので、まずは酒さに対する考え方も、自分の中で見直す必要がありますね。
食生活
酒さは、食べると悪化するものが多いです。基本的には刺激の強い食べ物は避けたほうがいいですね。酒さ患者が控えたほうがよい食べ物・成分は、次の3つです。
カフェイン
アルコール
香辛料
また個人的に、食べ過ぎて酒さが悪化したと思う食べ物は、
甘いもの
脂っこいもの
また、経験則ですが、食生活のバランス、栄養のバランスが良いときは、酒さが落ち着いていました。なので、酒さは食生活から健康に気を付けることで、悪化を食い止めることができると考えています。
食生活は健康に過ごすためには、必要不可欠ですからね。間食しない、決まった時間にご飯を食べることも重要ですよ。当たり前のことですが、こういった当たり前のことが、原因を取り除くのに一番効果的だったりします。
肌の乾燥・バリア機能の低下
肌が乾燥して、バリア機能が低下している状態では、酒さが悪化します。早急な肌の正常化が必要です。
一見、酒さの肌はベタベタして脂性肌と思われがちですが、その皮脂は乾燥によって出ています。なので、酒さの肌は基本的に乾燥していると考えています。
また、酒さの肌はターンオーバーがめちゃくちゃになっていて、さらに治りづらい状態になっています。肌のターンオーバーを正し、健康な肌状態に戻そうとすることで、酒さの治療に繋がります。
生活習慣
生活習慣が乱れるのも悪影響です。そもそも生活習慣が乱れると、肌の健康に悪く、結果として酒さが悪化する原因となってしまいます。
具体的には以下の4つに気を付けましょう。
質のよい十分な睡眠
適度な運動
正しく湯船につかる
食生活
これらは、前に説明したストレスや肌の健康、食生活に関連していますね。いきなり自分の生活を変えるのは、なかなか大変ですが、ゆっくりでも改善していく必要がありますよ。
【一番の原因】免疫異常・腸内環境
私が一番の根本原因だと考えているのが、この免疫異常と腸内環境です。これまで上げた5つの原因を対策した時も、それなりに酒さに効果が感じられましたが、この免疫異常と腸内環境の改善を試したところ、今までにない効果が感じられました。
「肌の病気の酒さに、免疫とか腸内環境って関係あるの?」と思う方もいるかと思いますが、東北大学大学院 皮膚科准教授 山﨑 研志氏の研究によると、免疫システムと酒さの原因は、非常に関係が深いようです。
① 酒皶表皮では、TLR2 が高発現している。
② TLR2 は、カセリサイディンとカリクレイン5を表皮角化細胞に誘導する。
③ カセリサイディンとカリクレイン5の共発現が酒?型カセリサイディン・ペプチ
ド・パターンを形成する。
④ 酒皶型カセリサイディンは皮膚炎症を誘導する。
引用:http://medical.radionikkei.jp/maruho_hifuka_pdf/maruho_hifuka-111110.pdf
※酒皶(しゅさ)と読みます
山崎氏の研究によると、酒さの炎症や、毛細血管の拡張の原因は、酒さ型カセリサイディンによって引き起こされているそうです。そして、この酒さ型カセリサイディンが発生する原因となっているのが、免疫システムのTLR2です。
酒さの皮膚には、この免疫システムTLR2が通常の皮膚よりも多く発生しています。この異常発生してしまった免疫システムTLR2が、アクネ菌など様々な刺激によって過剰に反応してしまいます。
そして最終的に、免疫システムの過剰反応によって、酒さ型カセリサイディンが発生して、あなたの肌を酒さにしてしまっているのです。過剰に反応しすぎて、自分の肌までも傷つけてしまっているということですね。
しかし、ここで勘違いしないで欲しいのが、もともとTLR2は体を外敵から守ろうとしてくれている細胞なので、決して悪い細胞では無いということです。TLR2が悪いのではなく、過剰発生して、体をアクネ菌などの外敵から守ろうと過剰に反応した結果、酒さのような炎症を起こしてしまっているということです。
目指すべきは、TLR2の正常化です。
なので、酒さの根本原因を対策するためには、免疫システムTLR2の過剰発生と過剰反応を治さなければいけません。そこで出てくるのが腸内環境の改善です。
6割の免疫細胞は腸内にある
腸内フローラを良くしたり、善玉菌を増やすといいよって、よく聞きませんか?これらの腸内環境改善を心がけると、酒さの原因である免疫システムの異常を、正常化することができます。
まず、免疫細胞の多くは、腸内に存在しています。この免疫細胞が、腸から体中に巡り、体内に入った細菌を攻撃して倒したり、体に有害な成分を除去したりしています。先ほど説明した、酒さの原因になっているTLR2も、この細菌を攻撃する免疫細胞の一種です。
免疫細胞は日々新しく生まれ変わっているのですが、新しく生まれた免疫細胞は、外敵を倒す訓練をする必要があります。この訓練によって、免疫細胞の力が変わってきます。
そして、この訓練する場所というのが腸内なのです。免疫細胞は、腸内に存在する腸内細菌によって、免疫力をトレーニングします。
善玉菌などの体に良い腸内細菌は、新しく生まれた免疫細胞に刺激を与えます。この刺激に対応する訓練を、免疫細胞が続けていくうちに、外部の最近やウィルスにも対処できる免疫細胞に育つのです。そうして育った免疫細胞は体中にめぐっていき、もちろん顔などの肌にも、外部の敵を倒すためにやってきてくれます。
しかし、腸内の環境が悪く、免疫細胞が正常に育たない状態だと、正しく働かない免疫細胞が増えてしまいます。これが異常発生してしまったり、外部の敵に異常に反応してしまい、自分の肌までも傷つけて酒さにしてしまう、TLR2の正体です。
なので、酒さの原因を治すためには、腸内に正しく免疫細胞を育てることができる善玉菌を増やし、TLR2を正常化させてあげる必要があります。
公開日:
最終更新日:2016/04/07